富岡八幡宮の丸山聡一宮司(写真右)と自身が描いた大絵馬の前で記念撮影を行った西川泰弘さん(同・左)
来年(2025年)の干支「巳」が描かれた「アート干支大絵馬」の奉納が12月26日、東京・江東区門前仲町にある富岡八幡宮で行われ、作者で障がいのあるアーティストの西川泰弘さん(56)等が出席した。
26日に富岡八幡宮本殿に奉納された西川泰弘さんの作品「アート干支大絵馬」
大絵馬は、縦120cm×横220cmの大きさで、2020年に門前仲町をはじめ、清澄白河、森下を中心に深川エリアで初開催された「アートパラ深川おしゃべりな芸術祭」の全国公募展「第1回アートパラ深川大賞」を受賞した西川さんが描いた作品で、同八幡宮本殿に設置された。
富岡八幡宮本殿に設置された「アート干支大絵馬」の前で行われた奉納
奉納後、丸山聡一宮司は「アートパラの大絵馬は今回で3作目となります。(23年=兎/奥亀屋慶一さん、24年=辰/須田雄真さん)これまでの作品もですが、それぞれが違った特徴があり、多くの方に楽しんでいただいておりますが、見れば見るほど味わいがあり、大絵馬全体もですが、細やかな所が本当に素晴らしいです。アートパラ深川の皆さんの思いを神様に捧げるという趣旨で毎年お願いをしておりますが、今回も素敵な作品となり有難い気持ちです。作品を描かれました西川さんには、こらからも素敵な作品をたくさんお描きになっていただきたいと思います」と、今回で3作目となる〝アート干支大絵馬〟への熱い思いと、今回の作品を手掛けた西川さんに感謝の気持ちを伝えた。
奉納後「アート干支大絵馬」を描いた西川泰弘さんに感謝の気持ちを伝えた富岡八幡宮の丸山聡一宮司
作品を手掛けた西川さんは、埼玉・川口市にある「工房集」所属のアーティストで、本殿に設置された作品を見て「本当に嬉しいです」と笑顔を見せた西川さん。「今回は富岡八幡宮で自分を出すっていうことが難しかった。ぼく自身の存在をいろんな人たちに知ってほしいから、その思いがいっぱいあるから青にしました」と「蛇の頭」で西川さんの大好きな青色をベースに、7月下旬から描きはじめて、約1か月半かけて作品を完成させた。
「アート干支大絵馬」奉納に出席した工房集とアートパラ深川のスタッフたちと記念撮影を行った
「第1回アートパラ深川大賞」の大賞を受賞した翌年(21年)に、清澄庭園・大正記念館で行われた特別審査員で華道家・假屋崎省吾氏の生け花と上位受賞作品とのコラボレーション作品の展示の際に、同氏から作品に対して高い評価を受けた西川さんは大変喜び、今回の作品に「花も描きました」と話す。
西川さんは「(假屋崎さんが)大賞の時にぼくのことをお祝いしてくれたから、省吾さんと友達になりたい思いがあるから、仲良くなりたいから、あの絵を描きました」と、同氏への感謝の気持ちと共に友達になりたいという思いから花を描いたという。
工事中の富岡八幡宮境内の外壁に展示されている「第1回アートパラ深川大賞」の大賞受賞作品前でピースサインをする西川泰弘さん
「アート干支大絵馬」は、25年末まで設置されるほか、作品に描かれている絵は「アート干支絵馬」として授与所に用意している(初穂料800円)。
西川さんの作品に描かれている絵は「アート干支絵馬」として授与所に用意されている
なお、同八幡宮は29年(令和9年)に御鎮座400年を迎えることから、客殿の新築、御本殿大修理、社務所移転新築のほか、令和9年8月に御鎮座四百年奉祝大祭などを予定しているほか、現在、同八幡宮の御鎮座400年記念して「江戸から東京、そして未来へ~〝次の百年〟を共に築くクラウドファンディング」をCAMPFIREで開始した。
2月28日までクラウドファンディングも実施中だ
また、同八幡宮の工事期間中の外壁には「第1回アートパラ深川大賞」の西川さんの大賞作品をはじめ、全国公募展の大賞作品をはじめ、選りすぐりのアートを紹介する「アートパラ深川 街なか美術館」を展示している。
富岡八幡宮の工事期間中、外壁に展示されている「アートパラ深川 街なか美術館」のアート作品
☆アートパラ深川「街なか美術館」(一般社団法人アートパラ深川)