コース上にマーキングやスタッフもいない中、GPS時計でルートを確認し、自らの力だけでゴールを目指す北田雄夫氏
モーリタニア・サハラ砂漠で10月31日から11月19日まで行われた「La 1200(ラ・ワンサウザンド・トゥーハンドレッド)」に出場し、397時間30分(16日13時間30分)の記録で4位となった、世界7大陸アドベンチャーマラソンを日本人で初走破した〝アドベンチャーランナー〟の北田雄夫氏(38)がこのほど帰国し、過酷なレースについて話をしてくれた。
レース途中で、自撮りで撮影を行う北田雄夫氏
世界初開催された同レースは、気温10~45℃の中、1200kmという距離を468時間(19・5日)で走るノンストップレースとして行われ、北田氏を含む10人の選手が出場した。
参加費は6800ユーロ(約100万円)で、約20km毎のチェックポイント(軽食とドリンクの提供あり)を通過し、セルフサポート(サポートを付けるのは不可。自らの力だけでゴールを目指す)で、GPS時計でルート(コンパス)を確認しながら、ゴールを目指すルールの中、ゴールを目指す過酷なレースだ。
北田氏は「コース上にはマーキングやスタッフもいません。携帯電話もつながらない中、遭難、熱中症、睡魔、ケガ、体調異変などのリスクを抱えながら進みました」と、総重量6kg、100種類の装備アイテムと共にレースを完走した。
サハラ砂漠に沈む夕陽は実に美しい
帰国後、レースを振り返って北田氏は「走る、食べる、眠る。ただそれに24時間の全てを注ぎ続けました。想像もできないほど遠いゴールでしたが、進み続ければ16日後に達成する事ができました。だから、僕たちはまた、まだ先へいける。今はできなくても、チャレンジすれば可能性は広がる。そう感じたサハラ砂漠1200kmでした」と話した。
チェックポイントで束の間の休息をとる北田雄夫氏
早くも北田氏は来年以降の新たなチャレンジについて「2023年はアドベンチャーを始めて10年。極寒アラスカ1600km『Iditarod Trail Invitational』、ヒマラヤ山脈1600km『Great Himal Race』という、日本人初挑戦となる大きなチャレンジを目指します。力の限り、立ち向かっていきたい」と、早くも2023年以降で新たなチャレンジを掲げた。
過酷な1,200kmを4位で完走した北田雄夫氏は笑顔でゴール
北田雄夫氏は早くも2023年に新たなチャレンジを始める事を宣言した