田植え終了後、記念撮影を行ったクボタスピアーズの山崎洋之選手(前列左)、GO雪共和国の相澤理事長(写真後列右から2人目)、城東小・平山校長(後列右)
今年3月に東京駅八重洲南口前に新たにオープンした大規模複合施設・東京ミッドタウン八重洲の低層階にあり、1962年に開校し、今年で62周年を迎える中央区立城東小学校。昨年9月(2学期)から新校舎での授業を再開しているが、同小の屋上に造られた水田で、このほど小学5年生29人が参加して田植え体験イベントが行われた。
同小で田植え体験がスタートしたのは2007年。新潟・津南町、長野・栄村が2006年の豪雪により、国道405号線が通行不能となり孤立し、その状況を知った全国の人たちから多くの支援が届き、同年春に「受けた支援の恩返しをしよう」と津南町、栄村の有志によってNPO法人GO雪共和国(代表・相澤博文理事長)が設立された。その後、全国に向けてありがとうキャンペーン「豪雪反撃キャンペーン」を展開した際に、八重洲1丁目東町会とのご縁が生まれた。
その後、同法人と日本橋・八重洲の商店街の有志たちとの交流が始まり、さくら祭りでは、毎年津南町からトラックで雪をもってきて、滑り台やかまくらを作ったりと、イベントを通して関係も更に深まった。
新しく建て替えられた城東小屋上水田で田植え体験する子どもたち
そんな中当時、同小の千葉家門校長から「校舎の屋上に田んぼを作って、都会の子どもたちに土と触れさせたい」という思いがきっかけとなり、数トンの津南町の土が運びこまれて屋上水田が完成し、毎年子どもたちが参加して田植えと稲刈りが行われてきた。
しかし、地域の再開発が行われ、同小学校も新しく建て替えられたことから、屋上に新たな水田が作られ、津南町から同法人メンバー4人が駆け付け、田植え体験を再開することになった。
田植えの最後に、津南町から持ってきた水田にホウネンエビとおたまじゃくしを放流する子どもたち
「都会で暮らす子どもたちに、自然との触れ合いを」をコンセプトに、同小の子どもたちが年2回(サイエンスキャンプ、ウインターキャンプ)泊りがけで津南町、栄村に出かけるなど、理数教育のパイロット校で、GO雪によって作られる自然体験プログラムにより自然触れながら学習を行っている同小の平山尚彦校長に話を聞いてみた。
子どもたちにアドバイスを送る城東小・平山校長
「子どもたちが体験するということが大事で、何より大都会の真ん中で田植えの体験ができるこんな有難いことはないですね。子どもたちは知識をたくさん持っていますが、体験に根付いた知識というのが、一番しっかりと身についたものとして生きると思いますので、今日は大変貴重な体験をさせていただいたと思います。新校舎となり、ようやくスタートしましたので、今後も続けていきたいと思いますが、まずは今回の田植えしたお米を実らせることが目標なので、皆で取り組んでいきたいと思います」と、平山校長。
子どもたちに田植えに関する説明を行うGO雪共和国のメンバーたち
津南町から駆け付けた相澤理事長をはじめとする4人のNPO法人メンバーからは「子どもたちと一緒に田植えをするのは、楽しいですね。秋の収穫に向けて、時々見に来てあげたいです。我々も東京駅の目の前で田んぼができ、田植えできることを楽しみにしていて、良い経験だし、また何かに使えたらよいと思いました」と、新たにスタートした田植えに満足した表情を浮かべた。
16年ぶりに田植え体験を行ったクボタスピアーズの山崎洋之選手
また、地域企業を代表してクボタ東京本社東京総務部総務課に勤める一方で、ラグビーチーム「クボタスピアーズ」のWTBウィングの選手としても活躍する山崎洋之選手も田植え体験に参加した。「福岡出身で、小学校での田植え体験イベント以来、16年ぶりぐらいの杖で凄く久しぶりで、懐かしく感じました。(田んぼに脚を入れると、田んぼでしか味わえない感覚というか、足が沈んで柔らかいんですが、固いというか、田んぼ特有の感覚だと思います。会社としても、チームとしても社会貢献、地域貢献として、子どもたちの笑顔を見れることが僕たちにとっても嬉しい事です)と、笑顔でコメント。