東京都の伝統工芸支援プロジェクト「東京手仕事」商品発表会
令和4年度都知事賞はGLAAS‐LABO江戸切子「蛇ノ目切子」が受賞!

「東京手仕事」プロジェクトで都知事賞を受賞したGLASS‐LABOの職人・椎名隆行さん(写真右から3人目)とビジネスパートナー・松尾慎氏(同・4人目)

 

 東京都の伝統工芸支援プロジェクト「東京手仕事」の商品発表会がこのほど都内で行われ、東京都知事賞を含む優秀作品3点が発表された。

 「東京手仕事」プロジェクトは、江戸職人の伝統の技に光をあて、その魅力を国内外に発信する目的で、平成27年度から始まり、今年で9年目を迎える。伝統工芸に携わる職人とデザイナーなどのビジネスパートナーが力を合わせ、現在のライフスタイルに合った新商品の開発と、新たな販路を開拓する普及促進との両輪で支援を行っている。

 公益財団法人東京都中小企業振興公社の目黒克昭理事長は「今回(令和4年度)の商品開発支援では、商品開発アドバイザーによるハンズオン支援、専門機関による市場調査やテストマーケティングを入れて、19商品を普及促進支援の対象商品として選定し、本日の発表会で初めて披露させていただきました。中でも、特に優れた商品には東京都知事賞、公社理事長賞、優秀賞の3賞を表彰させていただきます」と、冒頭あいさつを行った。

 

都知事賞を受賞し、挨拶を行うGLASS‐LABOの椎名隆行氏

 

 都知事賞を受賞したのは東京・江東区の清澄白河で、江戸切子やガラス製品などを製作・販売するGLASS―LAB(グラスーラボ)だ。受賞作品の和酒専用江戸切子「蛇ノ目切子」は、大きな円盤刃の側面にガラスを当て、平面に削っていく江戸切子の技法「平切子」と、ガラスにマスキングシールを貼り、砂を吹き付けて模様を削る「サンドプラスト」という2つの技法を合わせることで、全く新しいスタイルの江戸切子として誕生。お酒を注ぐと磨き上げた18面のグラス側面に底の蛇の目模様が万華鏡のように映る仕様になっており、手に取るたびに新しい表情を見せてくれるグラスとなっている。

 

GLASS‐LABOが出品した江戸切子「蛇ノ目切子」

 

 受賞後、職人でグラスーラボCEOの椎名隆行氏は「大変光栄な都知事賞を受賞でき、本当にありがとうございます。この商品を創ったのが自分の父と弟なんです。家族でやっています。家族だからこそできた作品だと思いますし、これから世界に向けて普及していきたいと思います」と、受賞の喜びを伝えた。

 

 受賞後、「蛇ノ目切子」の魅力や楽しみ方を伝える松尾慎氏

 

 また、ビジネスパートナーの松尾慎デザイン室の松尾慎氏は「魅力は語りつくせないほどいっぱいありますが、日本酒を作る杜氏さんが、利き酒用として使う蛇ノ目模様の湯呑のサイズが一合ということで、それを立派な蛇ノ目の江戸切子でお酒と共にグラスの模様も楽しんでいただこうと思いました。また、一合サイズに作ったプロポーションが日本酒をロックで飲むという正式な飲み方があるんですが、あまり知られていないんです。その日本酒のロックグラスのプロポーションとして理想的な形でピッタリなんです。是非、日本酒をロックで飲む飲み方を知っていただき、日本酒の普及に貢献できればと思います。色んな可能性、ポテンシャルを秘めたグラスだと思います」と、新たな日本酒の楽しみ方を提案した。

 

 なお、今回の「東京手仕事」プロジェクトで紹介された新商品の販売・展示会は、東京都が運営する伝統工芸品のオンラインショップ「小粋屋東京」や、6月1日から日本百貨店にほんばし総本店で「東京手仕事」常設コーナーのほか、14日から16日まで東京ビッグサイトで行われる「インテリアライフスタイル2023」の「東京手仕事」ブースで展示される。

 

◆GLASS―LABOサイト

https://glass-labo.com/

◆ECサイト「小粋屋東京」

https://www.rakuten.ne.jp/gold/koikiya-tokyo/