マゴチ 二刀流名人に完敗

 

 吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が狙ったのは東京湾のマゴチ。釣果は上向いており、餌釣りで狙うは大物。深川・吉野屋に乗り込んだ。

 

餌釣りで2匹GETも

 

 餌釣りのマゴチはスポニチ取材で初めて経験してから今回で3回目。何を隠そう私イトーが大好きな釣りの一つなのです。

 

 準備をしていると、隣の釣り座の中村謙一さん(69=台東区)から「ルアーじゃないの?」と声を掛けていただきました。元気に「はい、今日は餌やってみます!」と、やったことないのに、普段はルアーでもマゴチ釣ってるかのような返事をしときました。

 

 昔から幅広く釣りをやられてる中村さんといろいろなお話をしました。最近、釣ったシーバスでカラスミを作ったことを僕が自慢したら、なんと中村さんは浅草で珍味屋さんを営んでいらっしゃるカラスミ作りのプロでした。めちゃくちゃ赤っ恥をかきました。

 

 そうこうしていると、本牧沖のポイントに到着。水深15~25メートル。今日のターゲットは中村名人。彼に負けないよう餌のサイマキ(車エビ)を手早く付けます。ビックリしたのが、中村さんは何と二刀流。開始5分ほどで、僕の竿にピクピクっと前当たりが。

 

 

 きたキタ来たー!名人より先に釣り上げるぞー!食い込むのを待って、思い切りフッキング。1匹目はもらったー!かなりの重みを感じファイトを楽しもうとするとジジジー。リールのドラグを緩々にしてしまっていたためラインが出されあえなくフックアウト。そんなこんなしていると、中村さんは置き竿でサラッと1匹目を釣り上げ、周りの方々も1匹ずつ皆さん釣り、気付けば船中僕だけが釣れていない状況に。

 

 しばらくして何とかドラグギチギチの状態で1匹目を釣り上げホッとすると、船長、名人、船内のみんなが祝福をしてくれました。

 

筆者は良型交じりで2匹

 

 船の雰囲気が一気に明るくなり、本当に救われました。

 

 調子に乗ってここから追い上げようとしましたが、この日は結局2匹で終了。気付けば中村さんは5匹で竿頭。サイズでは勝ててるかと思いきや、名人は最大サイズ55センチ。僕は49・5センチ。惨敗です。またイチから出直してきます!名人、またお手合わせお願いいたします!

 

中村名人は二刀流で5匹

 

 

芸人こぼれ話

 

自転車ドロで逮捕?!一転ロマンスに・・・ならず

 

 夜、コンビニから自転車で帰っていると、警官に止められました。防犯登録チェックです。自分でお金を払って買った自転車なので、もちろん盗難車ではありません。

 

 堂々とした態度で「寒いし早くしてもらってイイですか?」

 

 名前を聞かれたので答え、防犯登録との照合にパトカーに向かう警官。「これ、あなたの自転車じゃないね!交番で話を聞こうか!」と言い放ちました。

 

 交番に場所を移し、身の潔白を必死に説明。この防犯登録番号の方は女性とのことで警官が「あなたの盗まれた自転車が見つかりました!」と電話をかけると、電話の本人から「私、自転車持ってます!盗まれてないですよ?」と。

 

 事情を説明すると、僕を助けるために、その女性がわざわざ交番まで自分の自転車を持ってきてくださいました。
自転車から下りた女性はとても奇麗で綾瀬はるか似の清楚(せいそ)な方でした。彼女の自転車は僕のとカタチも色も全く同じだったのです。そしてその自転車の防犯登録を調べるとそれが僕のモノでした。鍵の製造上、自転車は1万台で1セット。2セット作ると同じ鍵穴の自転車が、この世に2台ということになるらしいです。たまたま同じ鍵穴の2人が近所に住んでいて、スーパーかどこかで入れ違って乗って行ってしまった。これが事の真相。同じ鍵穴の自転車が入れ替わる確率は、20万分の1だそうです。

 

 「こんなこともあるんすねー!来てもらってマジで助かりました!」。この流れで「コレも何かのご縁だと思うので良かったら食事でも行きませんか?」と誘ってみると、「それとコレとは別でしょ!」

 

 ◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。

 

スポニチ 2022年3月30日