11日に開催されたバリバスカップ2022スポニチ「東京湾タチウオ大会」。本紙で連載中の吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之と富士村彩花が深川・吉野屋でルアー釣り対決。前回はマゴチ釣り大会で共にオデコに終わった両雄だが今回は…。
ついに決着の時。朝から必勝アイテムの「キットカット」(きっと勝つと)をボリボリむさぼって、準備万全!
走水沖に到着すると猛烈な北風とウネリに圧倒されそうになる。加えて、最強レベルの追い渋り。ルアーはタングステンも鉛も関係なく、何をやってもかすりもしない。
これにはベテランアングラーたちもお手上げ。「タチウオは今日が初めてなんです」。伊藤君が連れてきた貸し竿の初心者、田中小百合さん。なぜか一人だけツ抜け目前の大爆釣で、わけが分からず2人ともボーゼン。
「伊藤君、いま最大何センチ」「87センチ」「そっか…私92センチ」 みみっちい戦い。
ラスト1時間まで1匹しか釣れておらず、半ば諦めモードの富士村。それでも5時間やって、この厳しい状況下でほんのわずかに見えてきたものがあった。
「もしかしてスッと早く落ちる大きめのジグがいい?」
150グラムのタングステンを切られる覚悟で投入。と、すぐに。カツーーーン!ブワッ!!半端ない食い上げに、「これは大きい」と確信。周りが見守る中、上がってきたのは122・1センチで総合5位。伊藤君、どや!これがキットカットの威力じゃ! (富士村 彩花)
まずは2人ともターゲットのタチウオを「1匹ずつは釣ろうね」と可愛い目標を確認し合って乗船。ただコレはあくまで社交辞令。
「持久走、ゴールまで一緒に走ろうね」と言って先にゴールをする裏切り行為と全くの同義。バリバリお互いから漂う殺気。富士村彩花のルアーボックスをのぞくと、優勝を狙いに来ている人の装備だったのを見て気が引き締まりました。
僕は僕で大会4日前にちゃっかりプラクティス釣行に来ており、それをひた隠しにしていました。さらに3年前に総合準優勝を果たした経験があるので、コチラも1匹どころか優勝狙い。
バチバチの空気の中、走水沖で大会スタート。まずは開始早々、私、イトーが先制攻撃。80センチほどの可愛らしいサイズのタチウオをGET。チラッと彩花ちゃんを一瞥(いちべつ)して、楽しく魚を取り込む。
僕の友人で初心者の田中小百合さんら周りが確実に釣り上げていく中、1匹も釣れず、一人焦る彩花ちゃん。田中さんが8匹、僕が4匹(最大88センチ)、彩花ちゃんが1匹、という構図の中でラスト30分。「ん?根掛かり?違う!魚だ!」と言ったと思ったら、彩花ちゃんが船中で一番大きな122・1センチのドラゴンサイズを釣り上げ大逆転!横でガッツポーズにガックシうなだれるイトー。完膚なきまでに叩きのめされました。まるでウサギとカメでした。
◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。
スポニチ 2022年9月20日