吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が狙ったのは生きイワシ餌のマハタ。乗り込んだのは千葉県勝浦松部港の信照丸。経験者だったが初心者に一本取られて…。
僕の好きな泳がせ釣りで狙うターゲットは、見た目はイカついけど、抜群にうまい高級魚・マハタです。
実は2年前の取材で信照丸にはお世話になっており、その時に2・6キロ、2キロ、1・8キロと良型を連発してこの上ない爆釣を経験させてもらいました。
そんなおいしい思いをもう一度したくて乗船!
吉野達哉船長から渡された餌のイワシの上顎に手際よくハリを刺す。勝浦沖の水深35メートルのポイントに着くと80号のオモリと餌のイワシをドボンと投入!
慣れた手つきと、親しげに船長としゃべる様子を見て、隣のお客さんから「マハタ釣り初めてなのでご迷惑かけるかもしれませんがよろしくお願いします」と紳士的なごあいさつを頂きました。
「僕も実は2度目なので」とお返しをし、当たりを待つ。
すると前の釣り座で歓声が上がる。2キロ超えのうらやましいヤツ。
しばらく待つと、コチラにもグンっ、ググン!と当たり。竿先が食い込んだ瞬間に竿をあおってフッキング。乗った!難なく800グラムのマハタをGET。1匹釣れて気が楽になったのもあり、隣の人が「全く当たりもないです」とかなり苦戦している様子だったので「仕掛けが着底したら、3~4メートル巻き上げて30秒くらい待ちましょ。あとはこれを30秒に1回繰り返す」と勝手にアドバイスを送りました。
すると早速、そのアドバイスを実践した隣人は「おおおー!」と魚を掛けた。明らかに僕の魚とは比べ物にならないくらいの引き。「いいなー。楽しそやなー」と指をくわえて見ていたら、何とこの日船中最大になる2・1キロを釣り上げました。 「おめでとうございます」と涼しい顔で言ったものの内心、「クソぅ!コツ教えへんかったらあの魚、俺のところに来てたのに」と人には聞かせられない下品なことを思いながら釣り続行。
その後マハタはもう1匹追加したけど700グラムとサイズダウン。2・1キロを見せられたら感動も半減。
さらにラストの流しで大物を掛けるが、浮上してきたのは1メートルのドチザメ。仕掛けも切られてあえなく終了!
トホホ釣行となり、港で隣人に「お写真使わせてください!新聞に載せるのでお名前お願いします」と聞いたら「名乗るほどの者ではございません」とさっそうと帰って行きました。
いや、それ助けた側が言うヤツや!
◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。
◯…本コラムの筆者である伊藤貴之はこのほど「アングラーズマイスター」に就任。アングラーズマイスターとは、釣りSNS「ANGLERS」で釣果投稿やメディア出演を通じて、釣り業界を盛り上げるインフルエンサーとして活動するANGLERS公認釣り人。
スポニチ 2023年2月2日