18日に開催されたマルキユーカップ2022「スポニチ東京湾マダコ釣り大会」。吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之も選手として浦安・吉久から参加した。マルキユーのインストラクター・三石忍さんの目が光る中、さてその結果は…。
「スパルタどS釣り姉さん」…そんなイメージの三石忍さんにまずごあいさつをする際、失礼のないようにと、こそこそシェーバーでひげを剃(そ)っていると「船の上でひげ剃ってる人初めて見たよ!」と姉さんに見つかり先制攻撃を食らいました。
「あ、スポニチから取材で来てます吉本芸人の伊藤と申します!よろしくお願いします」
「へー、笑わせてくれるの期待してるわね」
直球やな、怖っ!
そうこうしているうちに、船はポイントの富岡沖に到着して大会スタート。
一斉に同じ船に乗っていた24人が、マルキユーの誘引剤「ノリノリタコライダー スタンプ」をまんべんなく塗ったタコ餌木をキャスト。1匹の重さ勝負のルールなので、誰にでもチャンスはある。
デカいのが誰に釣れるかは、もうあみだクジのような感覚でした。
時折、姉さんの視線を感じながらも平常心で釣りをしていると、女性アングラーの方が1キロ前後の良型をGET。ファーストフィッシュに盛り上がる船内。黙り込む伊藤。
忍姉さんが後ろから耳元で「早く長靴でも釣って笑いを取れ」。
むずっ!狙ってできるような芸当ではない。それができるならとうに売れてるわ!
次のポイントで、姉さんからの「アンタのこのタコ餌木使いな」とカラーチェンジ。すると1投目ですぐに小型のマダコが釣れました。船内でまだ2~3匹しか釣れていない中だったのでハシャいでいると、「それイイダコだよね?イイダコの親分だよね?」「いや、やめてくださいよー!小さいけどマダコですて」という何のひねりもない、誰でも言える返しをしてしまいました。すると「アンタさっきから全然面白くないじゃん!」。めちゃくちゃストレートにハッキリと言われました。
「そ、そんなこと言わんとってくださいよー!」。コレも、普通の返し。それに対し「芸人だったらもっと面白い返しするとか、SNSでボケるとかいろいろ考えてやりなさい!キャストはうまいけど真剣に釣りだけしようとするな!」。正論中の正論。紛れもない真実。Queenオブ正論!
いや、釣りのダメ出しされると思ったら芸人としてのダメ出しされるんかい!
この日唯一笑いが取れたのが、キャストしたタコ餌木が岸の鉄柱に当たってゴーンと音が鳴ったことでした。
このやりとりを全て僕のiPhoneで撮影しながらやってくれていた忍姉さんは厳しくもとにかく愛にあふれた優しい方でした。一生付いていきます。忍姉さん!
◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。
スポニチ 2022年7月27日