11月19日に開催された「マルキユーカップ2023スポニチ平塚アマダイ釣り大会」に、吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が参加した。出だしは好調だったが“デカアマ”はヒットしたのか…。
11月なのに20度超えの日が続出する事態に、戸惑いを隠せない繊細な男・官兵衛の伊藤でございます。
何を隠そう私・イトー、数々のスポニチ主催の大会に出てきましたが、アマダイ大会は初参加なのです。昨年参戦予定だったのですが、体調が少し崩れたので大事を取って欠場。その翌日に体調も戻ったので、大会と同じ平塚・庄三郎丸へ。初挑戦にして50センチの大アマダイを釣り上げてしまうという奇跡を起こしました。船長に「昨日の大会なら優勝できたのに。1日間違えてるよ」と言われる始末。アマダイに関しては運を使い果たした感はありますが、128人の頂点を目指します。
勝負は釣座を決めるクジ引きから始まってます。ドキドキしながら引き当てたのは左舷のミヨシ。まずは大当たり。スポニチのスタッフからも「良い場所引いたね。優勝間違いなし」と無責任にプレッシャーをかけられ、いざ出船。「幸先が良過ぎる時は、釣果が良くない」――。そんなあるあるが頭をよぎりながらのスタート。
開始10分で小さいコツンという当たりをしっかり掛け、アベレージの25センチをゲット。船内一番乗り。一番前の席はどの場所からも目立つ。「お、アマダイ!」と大きめの声でアピール。自分への船内の視聴率が高まったことを自覚したところで「小さいわー。ま、とりあえず1匹目ゲット」とデカめの独り言でライバルたちにしっかりマウントを取って、2匹目を狙う。精神的優位に立つことに成功。ただし嫌われた恐れアリ。
続いて10分後にまたまたヒット。今度の引きは大きい。これ見よがしに「お、デカいぞ」と船内にアピール。自然とライバルたちの視線がコッチに。ここでこの日一番のマウント。「レンタルの手巻きリールやとしんどいわー」。周りの方々はほぼ電動リール。それを分かっていたからこそ、あえて手巻きリールをレンタルしたのです。ただ入賞するのではなく「手巻きで入賞」。コレが一番カッコ良い。上がってきたのは34.5センチの良型。
この調子でガンガンいったんで!と図に乗っていたら最初の嫌な予感が的中。ここからぱったりと本命が釣れない。何をやってもずっと外道のトラギス、エソ、アカボラ。2時間たった頃には、手巻きリールのせいで腕パンパン。90メートル仕掛けを毎回上げるのが苦痛で苦痛で。
周りの方々は、どんどん大型アマダイを釣り上げていく中、自分だけは釣れない。ヒットしたからしんどい思いしながら仕掛けを巻き上げると、エソー。フグー。そうこうしてるうちに終了。持久走で最初にめちゃくちゃ飛ばして1位でイキってるヤツが、最後バテてみんなに抜かされていくあのダサい現象が自分に当てはまるなと、恥ずかしくてたまりませんでした。
▼釣況 東日本釣宿連合会所属、平塚・庄三郎丸=(電)0463(21)1012。出船時間は午前6時、乗合料金は1万500円。
◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。ANGLERS公認「アングラーズマイスター」。
スポニチ2023年11月27日