吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が、千葉県松部沖のマハタに挑んだ。これまでも良型を釣っており、自信満々で乗り込んだが、船上では「釣りコント」のような展開となったようで…。
勝浦松部港・信照丸に乗船して、マハタを狙いにいきました。生きイワシを泳がせ、さらに大きな魚を狙うという何とも豪快で“漢(おとこ)”らしい釣りなのです。信照丸には3年前に取材で初めて乗船して、2・6キロの良型サイズを筆頭にマハタ3匹をゲットしたことのあるイトーにとっては、大変相性の良い船宿です。今回はどうなりますか…。
松部沖に到着すると、生きの良いイワシの上顎にハリを掛け、仕掛けとともに海底まで投下。着底したら4~5メートル上げたところでステイ。基本はこれの繰り返し。マハタは底物のイメージがあるけど、意外と宙層まで泳いでくる魚なので、根掛かりを防ぐと同時に餌をアピールする戦法。これを忠実に守って狙っていると、後ろからぬっと上乗りとして乗船していた吉野達哉船長が現れ「40~50秒に1回はタナを取り直してね」とアドバイス。達哉君はボクと同い年のイトー世代で、何度も乗船するうちに仲良くなりました。
そうこうしているとガッ、ガッ、ガッ、めちゃくちゃデカい当たり。船内ファーストヒットは頂きだ。道糸がガンガン出され、時間をかけて丁寧に釣り上げていくと、現れたのは1メートル超のサメ。淡々とした顔で達哉君が「持って帰ります~?」
「いや、いるか」
おとなしそうな見た目の割に、めちゃくちゃボケてくる。
同乗者にも外道ながらカサゴ、ウマヅラが上がってきたタイミングで、再びガツンと大きな当たりが。
「これはマジできたぞ~。ガンガン引いている」と達哉君にタモ入れをお願いすると、見えた!上がってきた魚影は良型サイズの本命・マハタ。よしよしよし。
気を良くしていると達哉君が、
「小さいタモと大きなタモ、どっちが良いですか~?」
「ちょ、今ええねんて。早よ」
「は~い」
「チンタラすなて」
「ヨイショ。と」
よっしゃ、釣れた。
横でボソっと「ハリ外れてた。危な」
「フザけてたからやん。ギリギリやんけ」と怒るイトー。
ま、何はともあれ2キロ超の良型マハタに出合うことができた。船内で写真を撮って喜んでると、
「魚リリースします?」
「するわけないやろ。良型やんけ」
その後は、当たりがあってもなかなか魚を乗せきれず。ボケまくりの達哉君とマハタに翻弄(ほんろう)された一日でした。
達哉君はボク以外の時はしっかり仕事してくれると思うので、皆さんは安心して乗船してください。
◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。ANGLERS公認「アングラーズマイスター」。
▼釣況 東日本釣宿連合会所属、勝浦松部港・信照丸=(電)0470(73)3483。集合時間は午前5時半、乗合料金は餌付き1万4000円、ルアーは1万1000円。
スポニチ2024年4月26日