〝船酔い〟アカアマ?
なんとシロアマダイや

シーズン過ぎても〝イイカンジヤナ~〟

 

 吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が相模湾でアマダイに挑戦した。アマダイフリークに囲まれながらヒットした一匹は“船酔い魚”だったようで…。

 

電動リール手巻きで奮闘ダイ

 

 炎天下、アマダイ釣りへ。年中通して釣れるとはいわれるものの、秋~春がベストシーズンなので、このタイミングでアマダイを釣りたい人はよほどの“変態”です。そんなアマダイフリークが集まる小田原・おおもり丸に事前連絡を入れると、親方の瀬戸清司船長は「おうおう。遠いのに悪いね。来たら抱きしめて出迎えてやるよ」。会っていないけど、優しい人柄が伝わってきました。

 

 全員が出船時間より早く集合していたので、20分早めて出船。最高のスタートやん。100メートル以上の深場を攻めるアマダイ釣りは電動リールを使うのが基本で、同乗者は電動リールを持参。船にあるバッテリー電源にリールをつなごうと準備をしていると、「ごめん、ごめん。昨日バッテリー切り忘れてたから、上がっちゃってるわ」とテヘペロと言わんばかりの船長に対し、全員が「オッケー!」とこれまた軽い返し。おのおのが持参したバッテリーを使う中、ボクだけバッテリーなしの「地獄の電動リールで手巻き釣り」スタート。前途多難過ぎるって。

 

地獄の巻き上げ中…電動リールを手巻きするのは本当に重い

 

 ボヤきながら仕掛けをセットしていると、最初のポイント(水深70メートル)に到着。釣り方はオモリが着底したら糸フケを取り、1メートル仕掛けを上げステイ。そこから段階的に少しずつ竿を上げて、またステイ。当たりがなければ仕掛けを底まで落とす。すると、コツコツコツ、グングンとハッキリと分かりやすい当たり。スイープ合わせを入れて、魚の重みを確認して巻き始める。もちろん手巻きで。巻いて巻いて巻きまくると、浮いてきたのはキレイなピンクの魚体。1投目から大本命・25センチのアカアマダイをゲット。船長も同乗者も祝福してくれた。最高の瞬間だ。

 

 

型も良し37センチ!!船中は大騒ぎ

 

 すぐに2投目。すると、誘いを入れた直後に、グググン、ガンガンと先ほどよりもさらに強い引きが伝わってきた。「昔アマダイ49センチ釣った時の引きに似てるわ~」とか言いながら、地獄の手巻き。口ではそう言ってるものの、心の中では「多分デカめのカサゴとかエソやろな」と思ってました。すると、魚体を見た瀬戸船長が大声で、「アカアマが船酔いしたみたいな顔色や。シロやシロ」。それは幻の高級魚・シロアマダイだったのです。しかも37センチの良型。船中が大騒ぎとなる中、船長がマイクで、あの例えを気に入ったらしく「船酔いしたみたいな顔色だろ?」と繰り返したので「嫌な例えすな!」とツッコんでおきました。

 

シロアマダイを釣り上げ、持ちギャグ「イイカンジヤナ~」を炸裂!

 

 最初の2投でボクのピークが過ぎてしまったらしく、そこからは外道の魚たちに遊んでもらいアマダイは3匹でフィニッシュ。竿頭は12匹と圧倒的でしたが、シロアマは1匹のみだったので誇らしく船を下りました。これで変態の仲間入りができた気がします。

 

 

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、小田原・おおもり丸=(電)0465(84)0456。出船時間は午前6時、乗合料金は氷付き1万円。そのほか、スルメイカ船、コマセ五目船も出船中。

 

 

 ◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。ANGLERS公認「アングラーズマイスター」。

 

スポニチ2024年7月23日