特殊能力「コピー」発動‼78cmサワラ

同乗者の当たり こっそりまねて大当たり‼

 

  東京湾にサワラの季節がやって来た。時にはメーター超の大物がヒットするが、一つ間違えばオデコなんてことも。吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が、東京都深川・吉野屋で“気まぐれ”系サワラに挑んだ。

 

 一時戦意喪失も

 

 取材のたびに悪天候に見舞われ、バッドコンディション下での釣りが恒例化しているイトーです。今回の釣行もやっぱりシケ気味。しかも台風の影響でもう海面がグワングワンで、ゲリラ的に降る大雨…もう最悪。ズブ濡れからのスタート。

 

 毎シーズン必ず釣りに行く東京湾のサワラは、よく引くのでルアー釣りの醍醐味(だいごみ)も味わえ、とにかくウマい。ちなみに昨年は100センチジャストの大物を釣り上げているので、今回も鼻息は荒い。乗船時に深川・吉野屋の名物船長「まんじろう」こと高橋郷船長に「今年は9月の開始からサワラが絶好調」と聞いてテンション爆上がり、からの「でも前日から一気に釣れなくなってる」でテンション急降下。もてあそばれた気分になりながら羽田沖へ。ミヨシに一人でたたずみ荒波に揺られながら、黙々とタングステン製のブレードジグを投げまくる。ひたすら投げる。

 

 同乗者は10人、誰もヒットがないまま3時間が経過。戦意喪失しかかったタイミングで、後ろのおっちゃんがヒット。一瞬、船内全員の視線がおっちゃんに集中する。ところが、もう少しというところで痛恨のバラシ。それを見た他の9人が一気に色めき立つ。我先にみんなキャストしたが、イトーは落ち着き、おっちゃんが再度キャストするまで待つ。

 

ジジジ…と響くドラグ音。強烈な引きに耐える

 

 おっちゃんの使っているルアーのカラーや、巻くスピードをしっかり確認・分析してから、特殊スキル「コピー」を発動。すると直後のキャストで、ドンッ!という物凄い衝撃が来た。そこから一気にジジジジーッ…とラインが持っていかれる。「食ったー」。タモ入れをしてもらうための報告だが、船内で目立ちたいという気持ちも乗っかり、だいぶ大きめに叫んだ。

 

同率ながら竿頭

 

 船内の視聴率100%!固唾(かたず)をのんで見守るおっちゃんたち。サワラの強烈な引きも相まって緊張感が増す。ここからは落ち着いてファイトをし、船長にタモ入れしてもらい無事サワラをゲット。78センチの良型でした。船長に撮影会をしてもらい「自分以外誰も釣れてないこの時間が最高ですわ」と本音を言ったら、「性格悪っ」とドン引きされてしまいました。

 

得意技〝釣れている人のコピー〟を発動し78㌢の良型サワラを仕留めた

 

 この発言を神様も見ていたのか、2度ヒットしたけど、ファイト中にラインを切られてしまい、3000円のルアーを2つも持っていかれてしまいましたとさ。くわばら、くわばら。

 

 結局サワラは船中3匹。イトー以外にも釣れた方がいたので、同率ながら竿頭になりました。

 

上機嫌に持ちギャグ「イイカンジヤナ~」を披露したが、知っている人は乗っておらず。船内が凍りついてしまった

 

 

 ◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。ANGLERS公認「アングラーズマイスター」。

 

 

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、深川・吉野屋=(電)03(3644)3562。出船時間は午前7時、乗合料金は1万2000円。そのほか、ルアー・タチウオ船、マアジ船も出船中。

 

スポニチ2024年10月11日