いきなり35.5cmや 丸々25cmや
故郷の〝おかバス〟に泣き笑い

〝原点の地〟岐阜・五三川の大物挑戦

 

 吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が、岐阜県に帰郷し五三川でブラックバスを狙った。幼いころに釣りを楽しんだ原点ともいえる場所だが、なぜか不幸のにおいがプンプン。さて、どんな展開だったのか。

 

地元で手にした良型のブラックバス。手応えは十分だった

 

知人ガイドと

 

 実家のある岐阜県に帰った際、小学生の時に足しげく通った五三川のブラックバスを狙いにいきました。自分史上最大の50センチを仕留めたスペシャルな場所。昨年、カメラマン兼ディレクターを務めているYouTubeチャンネル「原西フィッシング倶楽部」で先輩芸人と訪れ「自分も釣りがしたい」との思いが大きくなり、知人で釣りガイドをやっている“ニヤケイ”こと横田啓輔さん(27)を招集。久々のバス釣りとなりました。

 

 ところがこのニヤケイが、約束より30分も遅刻してきた。「必ずバス釣らせますから」との約束を取り付けることに成功したが、すれ違った地元の釣り人に「うわ、ニヤケイさんだ」「やっと会えました」などとちょっとした有名人扱い。ニヤニヤ顔。なんか腹立つ。ここに吉本のタレントいますけど?3人目に声をかけられたところで「今日はオレが演者だから目立たんといて。帽子深くかぶってや」と鬼ダサ注文をつけたら「そんなことばっかり言ってるから、M―1グランプリも2回戦で落ちるんですよ」とニヤケイが一刀両断!切れ味鋭すぎて、切られたのに気づかなかった。

 

〝謎〟ガイドのニヤケイ(右)と

 

 陸から80センチ下に水面があるポイントへ到着し、早速、ルアーを投げて巻いてくると…グググン。「来た来た、来たー。上げるで、上げるで」。パニックになりながらも35・5センチの丸々太った立派な良型をゲット。釣れずに内心焦っていた2人も、この1匹で自然にハイタッチ。おかっぱりで釣るバスの価値はプライスレス。

 

 そこからしばらく同じポイントで粘り、25センチの小型バスを追加。気を良くして、ベラベラしゃべりながらリールを巻いていると、いきなり足元でガンガン、グググン。「今日イチの引きや。デカい、デカい」。水面に浮き上がった魚体は余裕で40センチオーバー。よっしゃ。大物を目の当たりにしたところで、大事なことに気付いたニヤケイ。「ヤバい、ネット忘れました」。

 

40センチ締めが…ネット忘れて、抜き上げプツン

 

責任転嫁合戦

 

 「何してんねん。水面から距離あるけど抜き上げられるか?」。この間もバシャ、バシャと激しく暴れるデカバス。「ボクがラインを持つので、抜き上げましょう」と言われ「オッケー。せーの」とやったらプツン。ラインが切れてルアーごとバスは逃げていきました。「え?何で糸持ったん?」「いやネットなかったから」「最悪やん。オレ年上やぞ」「あ、これ切れてる位置が結束部分だ。完全に伊藤さんの結び方が悪かっただけですよ」と醜い罪のなすりつけ合いのまま、釣行は終了。

 

40㌢アップのバスとファイト中。この直後、抜き上げでバラしてしまった

 

 お互い一歩も譲らなかったのですが、ネットを忘れたニヤケイの分が悪く、最後は「50センチアップ釣らせるまで一生イトーのバス釣りに付き合ってもらえる権利」を獲得しました。とはいえ、ニヤケイのガイドは最高でした。

 

 

 ▼釣況&ガイド ニヤケイ五三川ガイドサービス=(電)090(4469)7343。陸からのガイドで料金は1人1万8000円、ファミリーの場合は1家族で1万8000円、無料撮影サービスあり。釣り場への交通は名神高速道路大垣ICから車で約10分、東海道新幹線岐阜羽島駅から送迎OK。

 

 

 ◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。ANGLERS公認「アングラーズマイスター」。

 

スポニチ2025年1月13日