デザイン性の高い、個性あふれるデジタル魚拓がアングラーの間で話題となっている。さっそく、高品質のデジタル魚拓を受注販売している「魚拓の綿屋」(埼玉・越谷市)を訪れた。
営業を担当する小松崎晃さん(36)は「インテリアとして部屋に飾れるような、芸術性のある魚拓を目指しています」といい、デザインと制作を担当する中島雅樹さん(55)は「画像の加工や発色など、クオリティには絶対の自信があります」と胸を張る。自身で釣ったというキントキダイの魚拓は、一風変わったアンティーク調の仕上がりとなっている。
もともと、綿や布などを加工する「中島プレス工業」の専務を務めている小松崎さん。毎年、八丈島まで遠征するほどの熱狂的な釣り愛好家でもある。自社工場内にある大型プリンターの活用法を模索する中で、デジタル魚拓の販売を思いついた。「デジタル魚拓部門を立ち上げて1年ほど。後発ではありますが、その分、他社にはないものを提供しています」という。その言葉通り、本業の技術をいかした柔らかな布の風合いの魚拓や、アメリカンコミック調デザイン、アンディ・ウォーホル風デザインの魚拓など、「作品」と呼ぶにふさわしい、バラエティーに富んだ商品を生み出している。
同社のプリンターでは、体高120㌢までの魚であれば魚拓制作が可能。印刷も非常にスピーディーで、80㌢程度のヒラメの魚拓であれば10分前後で刷り上げ、その後は十分に乾燥させてから、サイズに合わせて断裁している。
「大物を釣った記念としてだけではなく、初めて釣った魚の思い出として残しても良いものです。あらゆる魚拓のニーズに応えたいですね」という中島さん。小松崎さんは「月間100枚の受注を目標にPRしていきます。やがては魚拓Tシャツなど様々な商品展開をしていきたい」と、さらなる飛躍を視野に入れている。