吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が、千葉・勝浦海中公園沖のマハタを狙った。今季は5キロ級の良型も釣れるなど釣果は上向き。勝浦松部港・信照丸での船上漫才も息が合ってきた!?
この厳寒期になると、無性に信照丸のマハタが釣りたくなります。初取材で2・5キロを筆頭に3匹を釣らせてもらってからのお付き合い。宿のインスタで釣果も逐一チェックしていてここぞ!のタイミングで訪れた。
まずは港のすぐ近くで、餌となるマアジをサビキで釣り上げる。ここで手早く効率良く20匹ほどキープして、いざ本命のポイントへ。到着するやいなや、素早く1投目を投下。水深30メートルに着底した仕掛けを、3メートル巻き上げて待つ。マハタは根魚のイメージが強いが、底から5メートル上まで獲物を追いかけて泳ぎ回るほどアクティブ。過去の信照丸詣で学んでおり、最初にアピールしようと着底と同時に巻き上げた。予想通り、リールを止めたその瞬間、ガン、ガン、グン、グン、竿先が強く曲がった。マハタ特有の暴力的な引き。3度目の大きな引き込みで思いっきりフッキングさせ、根に潜られないように道糸を一気にゴリ巻きする。
浮き上がってきた魚体は小ぶりながらも、縦じま模様がしっかりある1キロのマハタ。1投目で良かった~と安心していると、隣に中乗りとして乗船していた吉野達哉船長がボーッと立っていた。
「びっくりしたー。よし、玉網ですくってや」「……」「はよ、すくって。何で無視するの。魚逃げるよ」「うん、逃げるの待ってる」
オレ相手の時だけめちゃくちゃフザけてくるヤツだった…それを思い出しツッコミ、いや催促しまくると「ちぇー、釣れちゃった」とか言いながら魚をネットインしてくれた。「1投目で釣れたから、あと4匹くらい釣れるよ」と達哉船長にたんかを切ってやった。
そこから地獄の始まり。当たりが出ないどころか、潮が速すぎて釣りにならない。2時間ほどたった時、静かにヌルッとアイツがやって来た。「釣れてないじゃん」とニタニタ。「笑ってんと釣り方教えてや」と催促すると「持ってない」ってポツリ。どう言うこと?
「最近ずっと良い海況だったのに、イトー君が来る時だけ海が荒れる。タイミングが悪い」。そんなこと言われても。はいはい、日頃の行いをざんげしろってことね。コンビの相方にちゃんとお金返しますよ。ネタ合わせにも遅刻しないようにしますよ。ネタで滑った時お客さんのせいにしませんよ…と頭の中で悔い改めていたら、そのままノーバイトで終了。
帰港後、達哉船長にポンポンと腕を叩かれ「腕がなかったね」とまたまたニヤニヤ。もうマハタ釣りどころではない!達哉船長をギャフンと言わせるため、イトーは信照丸に通い続けます。
▼釣況 東日本釣宿連合会所属、勝浦松部港・信照丸=(電)0470(73)3483。集合時間は午前5時半、乗合料金は1万4000円。有料レンタルタックルあり。ルアーもOK。
◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。ANGLERS公認「アングラーズマイスター」。
スポニチ2025年1月28日