最強〝お守りジグ〟で F5ドラゴン

以前の竿頭にあやかり同じカラーで奏功

 

 吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が、東京・深川の吉野屋に乗船しタチウオを狙った。得意の“ルアタチ”も、今シーズンはいいところなし。果たして、ドラゴン級にお目にかかれたのか…。

 

“秘密兵器”替え グググと好感触

 

 この冬3度目のタチウオ取材。過去2回とも満足できるサイズを釣っていないので、三度目の正直!指幅(F)5本以上のドラゴンを釣ってやる、と勇んで胴の間を陣取った。吉野屋の大森健吾船長にあいさつすると「いやー、日に日に渋くなってきている大変なタイミングで来たね。とりあえず1匹釣ってね」。そんな渋いん?また最悪のタイミングやん。

 

 ここまではいつも通りの流れでも、今回はしっかり秘策アリ。横浜新山下・渡辺釣船店に乗船した際、竿頭となった東京都世田谷区の桜井健司さんが使っていたのと同じメタルジグを購入。準備は万全で心に余裕があります。“お守りジグ”はダイワ「TGベイト」のフラッシュリアルアカキンマイワシ。色の名前長っ。TGベイトは数多く持ってるけどコレはカラーが特殊。東京湾のタチウオにかなり効く、はず。

 

 猿島沖に到着し、まずは別のジグを投下。最初から秘密兵器を使ってタチウオに切られたら、たまったもんじゃないのでまずは様子見から。誘いを変え、色を替え、重さを替え…いろいろ試すが当たりなし。しびれを切らして秘密兵器を投入すると、あら不思議。着底と同時にガチン、グググとひったくられるような感覚。竿先が強く入った瞬間にフッキング。気持ちいい~。竿を心地よく曲げて上がってきたのはF4のレギュラー。サイズはどうあれ、とりあえず1匹釣れたことに安堵(あんど)の笑みがこぼれる。

 

正真正銘ドラゴンをゲット。この日最大のタチウオ…ってことで

 

 

 シーズン初110センチ 久々良型に興奮 

 

 他のジグに替えると再び当たりが遠くなり、お守りジグに戻すとまた釣れた。しかも今度は明らかにデカい。いい引き。抵抗感も十分にある。釣れたのはシーズン初となるF5の110センチと正真正銘ドラゴン。久々の良型にめちゃくちゃ興奮する。とりあえず、この日の船中最大魚だったということにしておこう。

 

 その後、また同じジグで1匹追加し、トータル3匹で納竿。渋かったけど桜井さんに感謝やで。このジグがなかったらゾッとする。竿頭は8匹釣った東京都江戸川区の山崎敬太さん(51=建設業)で、TGベイトをオリジナルカラーにカスタムする一枚上手ぶり。そこまでしないと、タチウオはもう釣れへんのかな。

 

8匹で竿頭となった山﨑さん
ジグをカスタムする徹底ぶり

 

 この山崎さん、昨年9月の「バリバスカップ東京湾タチウオ大会」に参加していて、抽選会で当たったばかりの折り畳みチェアを広げてドカリ。ボクから「使うの早。音速のチェアマンや」というイジリをされたことを覚えていて「いい思い出だった」と話してくれた。過去のボクのイジリおもろ。「いい思い出」って?よっしゃ。この日3匹しか釣れてないのに、胸を張って帰路に就きましたとさ。

 

 

 ◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春と「官兵衛」を結成しデビュー。ANGLERS公認「アングラーズマイスター」。

 

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、深川・吉野屋=(電)03(3644)3562。出船時間は午前7時、乗合料金は1万500円。そのほか、LTマアジ船、マゴチ船も出船中。

 

スポニチ2025年2月25日