吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が、スタートしたばかりの相模湾のタチウオに挑んだ。得意な釣りのはずなのに、ここ数回は貧果に終わるなど良いところなし。しかし今回は強力な助っ人が現れて…。さて結果は。
今シーズン4回目の“刀狩り”。相模湾では今月のスタートから、連日爆釣しているだけに期待が持てます。気分は豊臣秀吉!たくさん狩ったるで~。
乗り込んだ平塚・庄三郎丸の左舷ミヨシで用意していると、隣にはルアーメーカー「サプライズ」の椙尾和義代表の姿が。バリバスのイベントで何度かご一緒したことはあるけれども、船上で会えるなんて。プロと同乗…、ありがたい。これは運が向いてきたぞ。
最近のタチウオ事情などを聞かせてもらいながら釣り開始。メタルジグ180グラムを海中に投下すると、1投目のひと巻きでガツン。しっかりフッキングさせたけど、そこは150メートルの深場。途方もない長さを巻き上げてくると、釣れたのはアベレージサイズの指幅4本分のF4。そこから立て続けにヒットがあり2匹、3匹と追加していく。この調子なら30匹コースやで。椙尾さんは1匹釣った後、沈黙していたので、心の中で「オレの方がうまかったりして~」と余裕ぶっていたら、椙尾さんに2匹目がヒット。これがF5サイズのドラゴンで「めっちゃデカいですね」と声をかけると「サイズアップを狙っていたので、指示ダナより10メートル上を探っていました。釣れる数は減っちゃうんだけどね」。
船長に指示されたタナまで落として、普通サイズを釣って満足している自分に対して自身のメソッドで大物を釣るよう攻めの姿勢で戦っていた椙尾さん。負けた。この一瞬で何十枚も上手だということを思い知らされた。
ここから椙尾塾に入門して釣り再開。指示ダナより20メートル上まで攻めると、デカい当たりが来た。「ほんまですね。椙尾さんの言った通りデカいの掛かりましたわ」と引き抜いたタチウオを見てビックリ。F3と細い魚体に付いてきたのは、オモリ付きの片天仕掛け。恥ずかしさで赤くなった顔を見られないよう、隠しながら「これで重かったんかい」と突っ込んだ。
ルアー勢の好調がパッタリ止まり、長く釣れない時間が続く。午前中と同じパターンでは釣れない…。余裕こいていたのがウソのよう。これだからタチウオは怖い。後半は餌釣り勢が入れ食いを楽しむ時間帯があったのに、テンヤとルアーはごう沈。そのまま終わると思いきや、ラストの1投でイトーにヒット。F5とこの日一番マシなサイズが上がったところで終了。結果は椙尾さん10匹、イトー8匹。ツ抜けできず悔しさが残るが、椙尾さんに次ぐ匹数なら、まあいいか。「今日の敗因は何ですかね?」と尋ねると、椙尾さんはニッコリ笑って「日頃の行いですね」。日常生活をもう少し見直して次回挑みます。
◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春と「官兵衛」を結成しデビュー。ANGLERS公認「アングラーズマイスター」。
▼釣況 東日本釣宿連合会所属、平塚・庄三郎丸=(電)0463(21)1012。集合時間は午前5時半、乗合料金は1万1500円。タチウオ船は相模湾、東京湾の各地から出船中。
スポニチ2025年3月15日