7日に開催されるアサヒビールカップ2023「スポニチ東京湾マゴチ釣り大会」。選手として参加するのは吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之。目指すは優勝。練習を兼ねて東京都江東区深川の吉野屋に乗り込んだ。
ここ最近ルアーの「ボトムワインド」という釣り方にハマっているのです。この日は餌釣りのお客さんが10人ほどで、ルアー客が僕を含め3人でした。ライバルはこのルアー勢。
釣行した日は渋くて餌釣り勢も苦戦している中、まずルアーの人がマゴチとヒラメを立て続けに釣りました。僕とは違うスタイルの、ルアーを底にはわせる釣り方でした。
持ち合わせている仕掛け自体が違うのでその釣り方をまねできない。「あの釣り方でしか今日は釣れへん日やったらもうおしまいやん!」という恐怖を感じながら竿を振る振る。
「ボトムワインド」というのは、先のとがったジグヘッドにワームを付けて左右にダートさせ、「リアクションバイト」(魚が反射的に食いつく)を起こさせる釣り方です。もうこの釣り方一筋で脇目も振らずにやり続けるしかないなと腹をくくっていると、竿先がモゾッとする当たりが。バチン!と合わせて乗った。静かな船内でアピールするようによしよしよしと巻き上げると釣れたのは何と30センチのコノシロ。スレで釣れてしまったみたいです。大きな声でイキりながら釣ったので周りからも注目されてた分、恥ずかしかったです。
気を取り直して黒金から赤金にワームをカラーチェンジ。すると、しばらくしてまた当たり。今度こそはと釣り上げると、イシモチでした。
しかもよく見るとイシモチの裏側に小さなカタクチイワシも刺さっていました。「こんなことあるの?」と船内では少し騒ぎになりました。恥ずかしい。
その後また当たりがあり、三度目の正直と勇んで釣ると今度は60センチのシーバス。どないなっとんねん。外道ばっかりやがな!
そしてラスト1時間に急にバタバタッと2匹マゴチが釣れ、さらに最後の一投で奇跡的にもう1匹追加して3匹でフィニッシュとなりました。
気付けば五目達成、さらには竿頭にもなってました。
取材が終わってすぐにスポニチの担当編集者に釣果を報告すると「練習で調子良い人って大会本番では活躍しないよねー」と言われました。大会出るん怖なったやんけ!どないしてくれるねん!
◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。ANGLERS公認「アングラーズマイスター」。
スポニチ 2023年5月2日