吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が、バリバスカップ「東京湾タチウオ大会」に参戦した。過去には総合準優勝に輝き、本紙連載をつかみ取った“ラッキー”な大会。狙うは大物一発!果たして結果は…。
今回はバリバスカップ2023「東京湾タチウオ大会」に参加したよ、のお話でございます。この大会は大変思い入れのあるものでして…。19年に餌釣りで総合2位になり、そこからスポニチとの関係が始まり、この連載がスタートしたのです。いわば「キッカケ」の大会。だからこそ必ず優勝したい!そんな気持ちの入る存在なのです。とはいえ、昨年はルアーで惨敗。今夏は最もタチウオジギングに時間を費やして本大会に挑みました。東京都東大井・いわたから出船です。
餌釣り船だけど大会では一番前の2席だけはルアー可能ということで、昨年に続き釣り歴2年目の釣り仲間・田中小百合さんを誘って参戦です。彼女の去年の戦績は初心者ながら8匹上げ、4匹のボクより釣っていました。観音崎沖(水深80メートル)に到着して釣りスタート。早々にヒット。自分ではなく餌釣りの方々に。1匹、2匹、3匹。次々と上がる指幅3本(F3)サイズ。隣の田中さんが80グラムのジグを速めに動かして釣れてないのを観察し、100グラムのジグを120グラムに切り替え、ゆる~くやさし~くチョン、と動かして一巻き。さらにチョンと、動かして一巻き。キタ!!グググっ!キタキタ!!上げる、上げる。興奮しているが、田中さんに格好付けたい一心で「お、来た来た。来たけど小さいわー」と落ち着いた振る舞いを見せつけました。
上げるとほんまに小さい75センチ。騒がんくて良かった、と胸をなで下ろしていると、横で田中さんが「本当に小さいね」と一言。少しイラつき反射的に「釣れてないよりマシですー」と中2女子みたいな口調で反論してしまいました。「じゃあ釣り方教えなさいよ」となり渋々伝授すると、田中さんがボクより大きいサイズの97センチをゲット。「やった」と無邪気に喜ぶ彼女に「ま、ボクのおかげやけどな」としっかり水を差す。すると立て続けに釣られ2匹対1匹。
「別に数じゃなくてサイズ勝負やから」
「サイズも私が勝ってるけど?」
到底大人とは思えない言い合いをしていると、当たりが止まった。いろんなパターン、いろんなルアーを試しまくり、餌で釣れてる人を見てボクが導き出した答えは「活性が低いからゆっくりタダ巻き」。すると大正解!ラスト30分に何とか1匹追加!けれども70センチのミニマムサイズ。田中さんに「知りたい?釣り方知りたい?」とマウントを取りまくる。「仕方ないな~」ともったいぶった挙げ句伝授。するとすぐに1匹、2匹と追加されタイムアップ。気付いたら4匹対2匹。サイズも97センチと75センチ。完敗やん。
田中さんには「入賞できんかったら全員敗者やからな!」と言うて面目を保っておきました。いやこんな小さなところで張り合ってて優勝できるかー!
▼釣況 東日本釣宿連合会所属、東大井・いわた=(電)03(3471)1322。出船時間は午前7時15分、乗合料金は1万円。タチウオ船は各地から出船中。
◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。ANGLERS公認「アングラーズマイスター」。
スポニチ2023年9月29日