強風にヒーヒー
ラストにハナダイもマダイつかめず

　　吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が、乗っ込み期に突入した茨城・鹿嶋沖のマダイに挑んだ。“海の王者”に対し、今回は初挑戦となる一つテンヤ釣法で対峙（たいじ）。ピンク色の魚体が見えてきた…が。

一つテンヤ釣法

　桜も散り本格的に暖かくなったタイミングで、春の訪れを五感で味わいたいと思い乗っ込みシーズン真っただ中のマダイを狙いに行ってきました。鹿嶋沖は連日好釣果が続いており期待は十分です。

　一つテンヤといえば冷凍エビ餌を使うのが一般的ですが、乗船する豊丸ではタイミングが良ければ活エビを支給してくれます。もちろん活エビの方がマダイの食いつきは良く、さらに身持ちも良いので一石二鳥。そんな最高な餌だからこそ、３～６キロの大物マダイが釣れるのだとワクワクしながら乗船。中乗りさんにも釣り方をレクチャーしてもらい準備万全、あとは釣るだけと思いきや。ポイントに到着すると、強風と波で大シケ状態で、船はぐわんぐわん揺れる始末。前日のシケが思いっきり残っている様子で、初の釣りなのにスーパーハードモード。とはいえ、ここまでやってきたのに、弱音を吐いていられない。

　海底まで仕掛けを落とし、そこからエビが跳ね上がるイメージで１メートルほど浮き上がらせ、ゆっくり潮に乗せながら再び海底へ沈めていく。これが基本動作。これを何度かやっているとフォール中に違和感があり、すぐさまフルフッキング。

ホシザメ大騒ぎ

　ガツンと重みを感じると、ジジジ…とラインが出されていく。無理はせず慎重にやりとりをする。船内でのファーストヒットなだけに、船上視聴率は１００％！「重ーっ！しんど」とかダルそうにグチりながら、ここぞとばかりにカマすイトー。そして大物きたか！？と思いきや、上がってきたのはなんと、ホシザメ…。

　同乗者から漏れる「はぁーあ（時間返せよ）」というため息。あんなに目立ったのに恥ずかし～。ほんの一瞬でもワクワクさせてくれたホシザメに感謝しながらリリース。外道とはいえ魚を上げられたことで餌付け、誘い方、合わせは間違ってなかったんだと自信を持てたのは大きな収穫。

　ここから２時間ほどたち、悲しき船内アナウンスが流れた。「予報以上の強風のため、早上がりになります」という終了の合図。残酷な現実にうなだれながらラストに投げた仕掛けにグググ！まさかの当たりが。奇跡や、これは完全に“持ってる”。しゃー。

　テンションぶち上がりでファイトを楽しむ。上がってきた魚体は何とピンク色。来た、ラストで本命ゲット。と喜んだのもつかの間、よく見るとマダイにそっくりなハナダイでした。釣れるタイミングはバッチリやったけど、外道は外道。何とも複雑な気持ちで港に戻るイトーでしたとさ。

　必ずリベンジするぞ。待ってろ大ダイ。

▼釣況　東日本釣宿連合会所属、鹿嶋・豊丸＝（電）０２９９（６９）３３１９。集合時間は午前４時、乗合料金は１万２１００円。そのほか、ショウサイフグ船も出船中。

◇伊藤　貴之（いとう・たかゆき）１９８６年（昭６１）生まれ、岐阜県出身。１８年に石橋俊春と「官兵衛」を結成しデビュー。ＡＮＧＬＥＲＳ公認「アングラーズマイスター」。

スポニチ2025年4月24日