どーも!お笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之です。釣り取材3連続竿頭と絶好調のワタクシ、今回は5年ぶりの“爆湧きモード”に突入した東京湾マダコに挑戦です。台風の影響で、あいにくのシケ模様ながら、千葉・浦安の吉久は連日好調。満員御礼の中、出港となりました。
注目の若手・杉本光船長=写真=の船に初乗船。活気づく“すぎちゃん丸”の胴の間に座ったら、隣のおじさんから「間違ってたらすみません、芸人の方ですよね」と声掛けが。

あー。原西フィッシング倶楽部の視聴者さんね?釣り好きの先輩「FUJIWARA」原西孝幸さんたちとのYouTube番組。いつもの流れと思い「そうです。芸人やってます」と答えると「やっぱり!スポニチの記事いつも読んでます。面白いです」と予想外の返答。「え?『芸人が釣る!』ですか?」「はい。それです」
今回で連載88回目だが、身内以外に直接申告されるのは初めて。うれしっ。会社員の留場秀貴さん、51歳、ありがとうございます。めちゃくちゃテンション上がりました。
上機嫌でタコ餌木をシェーク。でも、周りがポツポツ500グラムぐらいのタコを釣り上げていく。「タコちゃん、そろそろ俺んところにも来てやー」。ボソボソつぶやいていると、ぬっ、ぬっ、ぬっ、グググ。あ、タコや。グググ~!と合わせを入れて、しっかり重みを感じながら上げてくると300グラムのタコちゃん。そこから小ダコを2連発し、4匹目に800グラムほどの良型ゲット。

満足していると、この日釣り初体験の人と留場さんがまだ釣れてないのに気付く。船長に聞くと、オモリがしっかり着底しないと当たりは少なくなるとのこと。すかさず留場さんに伝える。そのうち初体験の人が釣れた。
イトーも順調に数を重ねていく。大雨の影響で食いが浅い。ショートバイトなので当たりがあっても焦らず、食わせの間をしっかりつくる。ふた呼吸置き、せーの!とフッキング。やっぱり釣れる。でも釣れる人と釣れない人の差が激しい。簡単に釣れる日ではない。
ラスト1時間。いまだ留場さんゼロ。テンションどんどん下がってる。光船長も心配しているとグググ…ようやく当たり。来た来た。本人より周囲が興奮。上がった~。念願のマダコ。しかもデカい。1キロ近い良型。沸き立つ船内。喜ぶ留場さん。「おめでとうございます」と祝福すると、衝撃の告白が。
「実は今日、誕生日なんです。誕生日まで仕事したくないので今日釣りに来ました」
ええ~!?
「なおさら、ほんま釣れて良かったですね!誕生日にずぶ濡れでオデコは笑えなかったですもんね」
そんな祝福を上回る言葉が留場さんから返ってきた。
「いえ、でもあなたに会えたからそれだけで十分ですよ」
あ、ありがとうございますっ!!何とうれしいお言葉…と喜んだのもつかの間。次の一言に、ひっくり返る。
「ジンベエさんに会えて楽しかったです」 …留場さん、俺「カンベエ」やねん。読者にすら、コンビ名を間違えられる知名度の低さを改めて思い知らされました(笑い)。
その後、留場さんは怒涛(どとう)の快進撃で3匹釣りました。そして僕は15匹で竿頭。4取材連続の快挙ですが知名度の低さがショックで記憶があいまいです。最後に、留場さんにバースデータコを1匹プレゼント。留場のおっちゃん!俺もっと売れるからな。また一緒に釣りしよや。

◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。2018年に石橋俊春と「官兵衛」を結成しデビュー。吉本興業所属。ANGLERS公認「アングラーズマイスター」。
▼釣況 東日本釣宿連合会所属、浦安・吉久=(電)047(351)2983。出船は午前6時半。乗合料金は1万500円、女性・中高生9500円、小学生6500円。
スポニチ2025年7月23日