どーも!お笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之です。先月28日、静岡県西伊豆町の宇久須クリスタルビーチで行われた「バリバスカップ2025西伊豆SUPフィッシング大会」に出場しました。海に浮かべたSUP(スタンドアップパドルボード)の上で釣った2匹の重量を競う方式で、一昨年は3位でした。今年こそ!の意気込みでしたが、出だしでつまずいて…。
お笑いライブを終え、家で準備して車に飛び乗ると西伊豆へ。気合の前乗りです。目指すは優勝。午後9時に旅館に到着すると10時には就寝して準備万全、スヤスヤ…のはずが目覚ましも鳴らない時間に起床。でも意識だけで体は動かず。何で?暗闇にカチカチ響く時計の音。これ金縛り?人生初の経験で脂汗がにじみ出ました。
そして来ました謎の音。サ、ササー。何かを引きずるような音。布団から出た左手に髪の毛のような塊が触れて動いた。怖い!近くにクッションとか置いてたよな?と自分に言い聞かせる。動いてる説明にはならんけど。
「うわぁー!!」。叫び声とともに金縛りが解け、飛び起きた。電気をつけ、クッションや毛みたいな物を捜す。頼む。あって。だがメガネと携帯しかない。全身寒イボ、視線も感じる。すぐ身支度を済ませ旅館を飛び出ると、玄関には盛り塩があった…。予定より1時間も早い出発。外はまだ暗い。コンビニで塩を買い、左手から全身、そして車にかけ、塩まみれで大会会場へ。
そんな恐怖体験を経てたどり着いた砂浜ですが、70人以上がSUPで一斉に海に出る光景はいつ見ても圧巻。久々のSUP操作はぎごちなかったけど、次第に感覚を思い出し、前回大物のアカハタを2匹釣った岩礁へ。
ワームを岩の隙間に投げ込み、底まで落としチョンチョン動かしているとガツン!大きな引きでラインが引き出され岩の奥に入り込まれた。最後はフックアウト…。引きから想像するに40センチ以上のオオモンハタ。大もん(大物)を逃して打ちひしがれてると、周りにチラホラ釣れてる声。
気持ちを切り替えどんどん誘う。水が奇麗で水深5メートルまでは様子が見える。SUPが岩場の隙間の上に流れた時、丁寧にワームを落とす。

底付近でチラつかせ魚の食欲をかき立てる。時折宙層まで泳がせてオオモンハタ狙い。底はアカハタ、宙層はオオモンハタの二段構え。ガツン!来た。でも20センチ前後のアカハタ。30センチ以下は検量対象外。こんなのが3匹釣れた頃、どこからともなく嫌な音が。
ぷしゅー。ぷしゅー。へ??ウソやろ?音の鳴る方へ視線を落とし、水をかけるとブチュブチュブチュ。SUP、穴開いてもーてるやん。しかも2カ所。終わりですやん…。
何度もSUP使ってきたけど、こんなこと一度もない。金縛りの影響?困り果てたところに講師で来ていたNPO法人SUPU(スタンドアップパドルユニオン)の吉田太理事がSUPで現れた。
「あー、魚の背ビレが刺さったんでしょうね」。霊じゃないのね?金縛りじゃないのね?ほな良かった。釣りは続けていいのか?どーなったら陸に戻るべきか?吉田理事は「ぐにゃぐにゃになったらです」と一言。ひとまず安心しつつ(ぐにゃぐにゃになってからじゃ遅いんじゃ?)とも思ったが、口に出すのはグッとこらえた。

その後もガツン!キタ。ぷしゅー。よし釣れた。ぷしゅー。オオモンハタ27センチか。ぷしゅー。惜しい!ぷしゅー。てな感じで時間いっぱい楽しみましたが、入賞サイズは釣れず、来年リベンジを誓いましたとさ。
◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。2018年に石橋俊春と「官兵衛」を結成しデビュー。吉本興業所属。
スポニチ2025年10月13日