16番会心パター ちゃめっ気たっぷりに笑顔を爆発させるのも、好調の証だ。「最後がボギー。3パットした~。でも楽しめました」。首位に1差の3位発進にイ・ボミの表情も自然と和んだ。
前週の富士通レディースでは、パットが不振で予選落ちした。「何していいのか迷っていた」。23日もプロアマの表彰式後に練習場に向かい、原因を探った。スライスラインを右に外すことが多く「タッチが弱かったり強かったりしていたから、ヘッドの向きがおかしいと思って直した」。開き気味だったヘッドの位置を直し、早速効果が表れた。16番で約15メートルのバーディーパットをねじ込むと、後半の4番では20メートルを沈めた。「今日はパターのおかげ」と納得の笑みだ。
15、16年の賞金女王も17年のCATレディース以来、優勝には縁がない。今季も前半戦は上位争いができなかったが、夏場を境に成績も上昇。スタンレー・レディースで来季のシード権をほぼ手中に収めたこともあり、最近では優勝を意識した発言も聞かれるようになった。「重圧はどんどん大きくなると思うけど、良いことを考え、自信を持って頑張りたい」と2年ぶりのVを見据える。
不振にあえいでいた昨季。おいっ子にプレゼントを贈るなど「小さな幸せ」を大事にし、それを継続してきた。その思いが報われるときがやってきた。
延田グループとスポンサー契約を結ぶキム・ハヌルが6バーディー、1ボギーの67で首位発進した。出だしの10番で3パットのボギーとしたが「それで緊張感が抜けたのが良かった」と切り替えに成功。11番で7メートルを決めてバーディーを奪うと、17番パー3で第2打を直接入れるなど前半で3アンダー。後半も2つ伸ばした。「グリーンが私に合っている。いつもパットが短めなので、速い方がいいです」と満面に笑みを浮かべた。
シーズンも終盤を迎え体力が落ちる時期にさしかかった。4日間好調を持続するため、「シューティングゲーム」で気分転換をはかっている。「優勝争いしたイメージを大事にして最後まで頑張りたい」。2年ぶりの優勝へ、照準を定めた。
申ジエ上々1差 ○…賞金ランク1位の申ジエが首位に1打差の3位と早くも好位につけた。出だしの10番で残り155ヤードの第2打を7Iで1・5メートルにつけてバーディー。その後もチャンスを冷静に決めた。最終組でスタートから雨中のラウンドとなったが「アイアンの距離感が凄く良かった。これまでの経験が役に立った」と好感触だ。優勝賞金3600万円のビッグな大会。「一試合一試合、結果よりプロセスを大事に」と慎重に構えるが、上々の滑り出しだ。
小野「上位」へ 2差7位発進 ○…初シードを狙う22歳の小野が3アンダーで回り、首位と2打差7位の好発進。2番でボギーが先行も、5番で6メートルを沈めて「パターで悩んでいたので1つバーディーが来てから落ち着いてプレーできた」と笑顔を見せた。グリーン上で苦しみ2週連続の予選落ち中だが、スタンスを狭くしたことで状態が上向きになった。現在、賞金ランク69位とシード圏外。「シード圏に入るためにも一番くらいに大事な試合だと思っている。優勝争いに加わって、確実に上位に入りたい」と意気込んだ。
パターに不満 愛1オーバー ○…5週ぶりの出場となった鈴木は10番で1メートルのチャンスを外すなど、生命線のパターが振るわず「パターが初心者並みに下手でした」と不満顔。痛めていた左親指は問題なかったというが、後半の7、8番で連続ボギーとするなど1オーバーの49位。賞金ランクは首位の申ジエと約3200万円差の4位。高額賞金大会で一気に差を縮めたいところだけに「パットが悪いとスコアは出ない」と修正点を強調した。
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