鈴木愛、自身初2週連続優勝!

「耐えればチャンスがくる」プレーオフ制し今季3勝 賞金ランクも首位浮上

千葉県 袖ケ浦CC新袖C(6548ヤード、パー72)優勝賞金1440万円 観衆4686人

3位から70で回った鈴木愛(25=セールスフォース)が通算9アンダーで並んだ黄金世代の高橋彩華(20=フリー)とのプレーオフを制し、今季3勝目、通算12勝目を大会連覇で果たした。先週の宮里藍サントリー・レディースに次いで自身初となる2週連続優勝。賞金ランクもトップに躍り出た。17番までトップに並んでいた比嘉真美子(25=TOYO TIRE)は最終18番で痛恨のボギーを叩き、3位に終わった。

勝負に出て連覇

ともに18番のバーディーで抜け出した高橋との同じホールでのプレーオフ。緊張気味の20歳とは対照的に、鈴木にはギャラリーに笑顔で手を振る余裕があった。2オンに成功すると約80センチに寄せてバーディー。第1打を左に曲げてパーだった高橋を振り切った。自身初の2週連続優勝。「先週の優勝が大きかった。落ち着いてプレーができたし、うれしい」と両手を大きく広げた。
先週の宮里藍サントリー・レディースのプロアマ戦。小林浩美会長から「耐える時期はみんな来る。笑顔で回ったらいいことあるよ」とアドバイスされた。大きなミスを犯すと耐える前にキレる性格だったが「耐えればチャンスがくる」と思い直し、我慢のゴルフで優勝を手にした。その経験が今週も生きた。
7番まで3つ伸ばし首位に並んだが、9番でアプローチをミスしてダブルボギー。それでも11番パー3で「ここで逃げてグリーンに乗せるだけでは絶対に勝てない」とリスク覚悟で勝負に出た。第1打は左サイドのピンをデッドに狙った結果、グリーンを外したものの、3メートルに寄せてパーセーブ。「流れが自分に向いていると思った。パーセーブが大きかった」と振り返った。
88年のツアー制度施行後、3週連続Vは07年の全美貞(ジョンミジョン)しか達成していない。次戦は2年前に優勝するなど相性のいいアース・モンダミン・カップ。周囲の期待は高まるが、重圧から解放された鈴木は思わず本音をのぞかせた。「本当に疲れが残っているので、今日は20時すぎには寝たいです」。

3位河本結 いいリカバリーで1メートルに寄せながら、パーパットを外した9番で流れを失った。今回は自爆した。悔しい。(4戦連続でトップ3。賞金ランク5位浮上も悔し涙)
3位三ケ島かな 後半はチャンスに多くつけたが、決めきれなかった。(スコアを2つ伸ばし今季初のトップ3)

比嘉勢いなく3位 開幕戦以来の今季2勝目を目指した比嘉が最終18番で脱落した。第2打をグリーン右横のバンカーに入れると、第3打で脱出できず痛恨のボギー。通算7アンダーに後退し、2勝目が消滅した。一時はトップに立ったものの、チャンスを決めきれず前日までの勢いはなし。「ティーショットからパットまで、いいゴルフが全然できていなかった。私の感覚では勝てるような内容ではなかった」と悔しそうに振り返った。

小祝3位1億円突破 小祝がスコアを4つ伸ばし、通算7アンダーの3位で終えた。前半で2つ伸ばすと、10番パー5では2オンに成功し、ピン左奥10メートルからねじ込んでイーグル。一気に上位に浮上したが「そこからは伸ばせなかった。ゴルフはうまくいかないと思った」と苦笑いを浮かべた。440万円を加算し、生涯獲得賞金が1億円を突破。黄金世代では勝みなみに次いで2人目だが「実感はあまりないです」と淡々と話した。

彩華 惜敗に・・涙

チャンスつくれず

惜敗した高橋は涙が止まらなかった。黄金世代8人目の優勝にはあと一歩及ばず「緊張のなかでなかなかチャンスがつくれなかった」とうなだれた。18番でバーディーを奪って「アマチュアを含めて初めて」というプレーオフに突入。第1打を左に大きく曲げ、優勝が大きく遠のいた。第2打はフェアウエーに戻すだけとなり、3オンしたもののパーセーブがやっとだった。
それでも最終日最終組で実力者の鈴木愛、比嘉と回り、「経験」という貴重な財産は手にした。今季の獲得賞金は約1368万円でランクも28位に浮上。7~9月までのツアー出場も確実になった。「去年から課題だった1Wとパットが直りきっていないと分かった。まだまだ練習不足。プレーオフなしで勝てるようになりたい」と必死に前を向いた。