来季は国内主戦場も秋の米ツアー予選会視野

練習ラウンドでショットを放つ

国内唯一の全米女子プロゴルフ協会公式戦で、日本女子ツアーも兼ねるスポニチ主催「TOTOジャパンクラシック」はきょう8日、滋賀県の瀬田GC北C(6659ヤード、パー72)で開幕する。来季の米ツアーメンバー登録回避を表明している渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、2021年にも米ツアーに挑戦する方針であることが7日、分かった。来季は国内を主戦場にしながら、米ツアーにもスポット参戦。来秋の米ツアー予選会への挑戦を選択肢に入れた。

12番、傾斜を滑り台にして遊ぶ渋野日向子(中央)

本人の気持ち優先

来季の米ツアーメンバー登録は見送ることを表明している渋野だが、夢舞台挑戦への道筋が見えてきた。複数の関係者によると、来秋に行われる米ツアー予選会(QT)挑戦を選択肢に入れており、21年にも米ツアーに参戦するプランを立てたもようだ。
今年8月のAIG全英女子オープンを制し、米ツアーメンバーの資格を獲得。今月18日までに登録を行えば来季の出場が可能だったが、かねて「まだ一年間アメリカツアーで戦う覚悟ができていないかなと思います」と回避を明言していた。来年は東京五輪もあり、渋野にとって重要な一年となる。挑戦の時期についてはこれまで「いずれは行きたい」と話すにとどめていたが、このほどプランが出来上がった。
来季は日本ツアーを主戦場としながら、全英覇者として出場可能なメジャー大会や推薦出場で米ツアーにスポット参戦。その上で21年にも米ツアーに本格参戦するため、秋に行われるQT挑戦を視野に入れてスケジュールを立てたという。関係者は「あくまでも本人の気持ちが一番大事ですから」と話しており、渋野自身の気持ちを最優先して最終決断を下す。
きょう8日に開幕するTOTOジャパンクラシックは、日本で開催される唯一の米ツアーでもある。この日、インの10番から9ホールの練習ラウンドを行った渋野は「全部の試合が大事ですけど、この試合は出られる人数も少ない。賞金ランキングにとっても大切だし、世界ランキングのポイントも高い。しっかりとトップ争いができたらいいかな、と思います」と力を込めた。“スマイリングシンデレラ”として世界を驚かせた渋野が、日本の地で世界の強豪に挑戦する。

こちらは来季米挑戦 河本Vでシード獲得だ

アプローチをミスし、苦笑いの河本

精神面成長実感 2日まで行われた米ツアー最終予選会で9位となり、来季の出場権を獲得した河本はインコースを回って調整。時差ボケも徐々に解消され「受けグリーンで面白いコース。夏場不調だったパットも良くなってきた。手応えはある」と笑顔で話した。
8日間のべ144ホールの長丁場だった予選会では緊張の連続だった。7日目にダブルボギー、トリプルボギーと続いたが、そこから6バーディーを奪うなどして立て直した。「心のコントロールができるようになった」と成長を感じている。来季の前半戦の出場権は確保しているが、米ツアーの公式戦を兼ねるこの大会で勝てば、来季のシードを獲得できる。「出たかった大会。勝ちたいです」。21歳が頂点を目指す戦いに臨む。

ランクアップへ 柳簫然巻き返す ○…昨年の日本女子オープンを制するなど日本での試合経験も豊富な柳簫然(ユソヨン)は「グリーンに傾斜もあるので、第2打でしっかりいい位置に打っていく必要がある」と分析した。今季は未勝利で「残り2戦。大勢の日本のファンの前で勝てれば」と意欲を燃やす。現在、五輪ランクは韓国勢で7番手の17位。「少しランクを落としてしまったので、自分のベストを尽くしてトップ15を目指したい」と巻き返しに躍起だ。

グリーンでショットを練習する畑岡奈紗

昨年V奈紗抱負「成長した姿を」 ○…昨年の覇者、畑岡が会見し、「成長した姿を日本の方に見せられたらいい」と抱負を述べた。体調不良のため先週の米ツアー(台湾)を欠場。「ショットの距離感がうまく合っていないことが何回かあった」と言うが、昨年も調子が良くないと発言しながら結果は出した。「良いと言う時ほど、意外とスコアにならなかったりするので、いい意味で慎重に行っている時の方が割と良かったりする」と前向きに捉えている。

▽主催
TOTO、毎日放送,スポーツニッポン新聞社
▽特別公認
日本女子プロゴルフ協会
▽後援
日本ゴルフ協会、米国大使館、毎日新聞社、滋賀県,大津市、草津市、守山市
▽協力
瀬田ゴルフコース、びわ湖大津プリンスホテル、近江鉄道
▽企画
スポニチプライム
▽競技運営
キヌガワ プランニング オフィス

第1ラウンド組み合わせはこちら

<11月8日付 スポニチ紙面掲載記事>